海外在住で、これから補習校に通わせようとしている方に、行かせる意味はあるのか?
駐在や永住などのシチュエーション別に、補習校に行かせる意味をまとめました。
これって、結構、周りの日本人のご家庭と比べてしまうことも多いと思うんですよね。
ただ、それぞれのご家庭で全然状況が違いますし、お子さんによっても全く違いますので、他の人と比べずに判断してほしいな、と思います。
駐在の場合、子どもを補習校に行かせる意味とは?
学力を上げる、受験対策には意味なし
海外に駐在しているご家庭の場合、子どもを補習校に通わせる意味と言うと、
日本語での学習の場
ととらえる方も多いかと思いますが、学力や学習についての意義を求めるとちょっとずれてしまうかもしれません。
帰国した時に、日本の学校生活にすんなりと戻れるように、存在しているのが補習校。
週1回の学校で、できる限りの学習を詰め込んでやっていきますが、もう本当に最低限のことをこなすので精一杯というのが本音です。
そこへきて、駐在されているご家庭の場合、ご両親ともに日本人であることがほとんどですし、お子さんも日本で生まれ育ち、母国語も日本語。
日本で受験を視野に入れて教育をされている場合、
補習校での学習は簡単すぎて意味がない
と感じる方もいらっしゃるようです。
そのために、「時間の無駄」と辞めていく子もいると聞いたこともあります。
補習校以外にも、チャレンジやZ会などの通信教育も並行してやっていて、きちんと理解している場合には、なおさら、補習校での学習は、学力の向上という面では無意味かもしれません。
コミュニケーションや経験ととらえるといく意味はある
ただ、一方で、家庭以外で日本語を使う機会ととらえて、通わせている場合もあります。
補習校では、運動会や文化祭などをやるところも多いと思いますので、日本独特の文化を体験するという面では、通う意味も十分あると言えますね。
また、日本人の友だちと接する機会として、補習校を活用することもできます。
やはり、海外で暮らすということは、子どもたちにとっても慣れないことばかりです。
そんな中、同じような環境、境遇の友だちの存在というのは、とても大きいようです。
現地校ではなかなか活躍できなくて静かにしているけれど、補習校でいきいきとして、活発に発言しているお子さんもいます。
ですので、駐在されている方にとっての補習校の意味は、受験のための対策や学力の向上を求めるよりは、日本的な経験やコミュニケーションの場ととらえておくのがいいかと思います。
永住の場合、子どもを補習校に行かせる意味は?
現地に永住していて、当面日本に長期で帰国する予定がない場合、補習校の意味ってどうなんでしょうか?
補習校は日本語能力の向上という面ではあまり意味がない
はっきり言ってしまうと、日本語上手になってほしいっていう考えで補習校行かせるのは、意味がないかもしれません。
もちろん、通っていればだんだんと上手になっていきますよ?
ただ、補習校では日本語教室のような、日本語の勉強って言うのはほとんどしないんですよね。
だから、授業にちゃんと参加できるくらいの日本語力は持っていた方が、補習校での勉強が身につきやすいです。
あまり、ついていけないと、ただいるだけ・・・って状態になって、きっと補習校もつまらないものになってしまうこともあると思います。
まず、日本語はできるだけ理解していたほうが、補習校に通う意味があると言えます。
まったく日本語のできないお子さんは、入学もお断りすることがあると思うのですが、少し無理をして入ったとしても、先生の言っていることがわからないのであれば、あまり学習の成果は出にくいと思います。
行かないよりまし、と言っていいのかわかりませんが、補習校で日本語能力がどんどん伸びていくということはあまりないと思います。
かといって、無意味とは言い切れないくて、どの子もそれぞれ成長していくものですが、ご両親、もしくは日本人の親御さんとはスムーズに日本語でやり取りできるくらいの日本語力をつけておいた方が、補習校に通った時により伸びやすいのかな、と感じてはいます。
日本的な集団や文化を体験するなら補習校は意味がある
あの、日本独特の考え方や雰囲気、そして文化などに触れさせたいという考えならば、補習校に行かせる意味は十分あると思います。
補習校は、なるべく日本のやり方に沿って学校の一日が進んでいきますし、学習内容は日本の教科書を使っていますので、ほぼ日本風です。
これは、世界各国、現地校も日本と違うところがあると思いますので、2つの文化や考え方、行動の仕方を体験するのは、海外に住む子どもたちにとっては、かけがえのない経験になります。
保護者の方にとっても、「えー、日本ってこうなってるんだ!」と、初めてのことも多いようです。
子どもが補習校や日本語を嫌がっているなら意味ない
永住している方のお子さんで、補習校に通うのが一番意味がないと思うのが、
子どものやる気0
の場合です。
これは、補習校に入ってからしばらくして起こる問題ですが、親御さんの強い意向で補習校に通わせてはいるものの、当の本人は興味がない、むしろすごく嫌がっている場合。
意味ないというよりは、悪影響が出ることもありますので、ここは注意しておいた方がいいなと思います。
親としては、じゃあ、辞めていいよ♪とはなかなか言えない、どうしてもこだわってしまうポイントではあるのですが・・・
現地校と補習校に通って、2つの言語がネイティブ並みのバイリンガルで、うらやましいくらいなのに、どうも自信がないような方にお会いすると、もしかしたら、バイリンガルにならなくても、嫌なことはやめてしまって、やりたいことをやるという選択肢があってもいいのかな?と思うことがあります。
たられば論なので、やっていなかったらどうだったか?は確かめようがありませんが、最近、人生って、嫌なことの先には嫌なことが、苦労の先には苦労が、逆に楽しみの先には楽しみが、うれしいことの先にはうれしいことがあるのでは?と感じているので、あまりに苦しい補習校生活はいいことないかもしれません。
もちろん、補習校に通っていて辛い時期があったり、努力が必要なこともあります。
ですので、お子さんの様子をみて、もうこれは無駄だと思ったら辞める勇気も必要かと。。。
そういった、親御さんの心構えがあるだけで、子どもは窮屈さから解放されて、意外と続いたりするものです。
以上、補習校に通う意味をまとめてみました。
補習校に通わせる際の参考になれば幸いです。